さくらインターネットは、データセンター大手としてAIやクラウドの分野で多くの好材料を発表しました。その結果、株価は2023年1月には500円だったものが、2024年3月には一時8,000円を突破するまでに急騰しました。
さくらインターネット 3778
データセンター運営の大手。国内最大級のデータセンター運営(ハウジング、ホスティング、レンタルサーバ)、クラウドサービス、専用サービス、VPS/仮想サーバ、IoTプラットフォームを提供。サービスはVPSクラウドサービス、ハウジング、専用サーバ、仮想サーバ、レンタルサーバ、高火力コンピューティング、IoTプラットフォーム「sakura.io」サービス、インターネット接続サービスなど。
株価(03/04) 8,860円
時価総額 3,333億円
ROE(実) 7.99%
ROA(実) 2.44%
PER(予) 372.0倍
PBR(実) 36.13倍
配当利回り(予) 0.04%
自己資本比率 31.8%
さくらインターネットの、株価上昇のきっかけとなった主な要因は以下のとおりです。
業績が大幅改善
2023年3月期の純利益が前年比2.5倍に急伸しました。これは、クラウドサービスへの経営資源の集中やデータセンターの最適化による投資効率の向上が功を奏したためです。
AI開発向けスーパーコンピューターを整備
日本政府が総投資額の半額を補助することが決まりました。これは、スタートアップ企業向けに安価でAI開発環境を提供するという条件付きですが、割安でスーパーコンピューターを整備できるという特大の買い材料となりました。
政府クラウドの提供事業者に選定
日本政府は2025年度を目標に業務のクラウド化を目指しており、そのクラウドシステムの提供事業者として、さくらインターネットが日本企業として初めて選ばれました。これにより、2025年度以降に数十億円規模の売上増加が確定的となりました。
米エヌビディアと連携
半導体大手のエヌビディアのCEOがさくらインターネットとの提携に言及しました。エヌビディアはAI向けクラウドサービスに不可欠な高性能GPUを製造・販売しており、提携が実現すれば、GPUの供給をより多く受けることができると期待されました。
以上のように、さくらインターネットはAIやクラウドの分野で多くの成果を出し、株価を急激に上昇させました。
さくらインターネットは、政府クラウドや生成AI向けクラウドなど、今後の成長が期待される分野に積極的に投資しています。 その結果、2025年度以降に売上や利益の大幅な増加が見込まれます。 また、米エヌビディアとの提携により、GPUの供給を確保することで、データセンターの構築や運営における競争力を高めることができます。そして、AIやクラウドの分野で先行する企業として、中長期的に業績の拡大を目指しています。 ただし、株価指標は現時点で超割高となっており、株価の上昇余地は限定的ではないでしょうか。 したがって、さくらインターネットの株価は、業績の成長に見合った水準に収斂する可能性が高いと思われます。