スパイダープラス <4192> [東証G]が発表した2024年12月期第3四半期決算は、いくつかの重要なポイントから評価できます。以下に、期待できる部分と気になる部分をまとめてみました。
期待できる部分
1. 売上高の増加
- 売上高は前年比+27%増加し、1,054百万円に達しました。特に大手建設業内での浸透が進んでいることが、この成長を支えています。
2. ARRの成長
- ARR(年間経常収益)は前年比+28%増加し、42億円に達しました。ARRの成長は、企業の持続可能な収益基盤を示しており、安定した収益が期待できます。
3. 営業利益率の改善
- 先行投資が一巡し、営業利益率が大幅に改善しています。これにより、企業の収益性が向上し、今後の利益拡大が期待されます。
4. 将来の見通し
- 期末ARRが46~47億円に達する見込みであり、成長率が加速することが予想されています。また、ARR100億円の達成シナリオに変更がないことから、長期的な成長戦略が順調に進んでいることが伺えます。
5. 黒字化の見通し
- 来期に予定どおり通期黒字化を達成する見通しであることは、企業の財務健全性が向上していることを示しています。
気になる部分
1. 赤字の継続
- 第3四半期累計で4億6000万円の赤字となっており、前年同期の3億7500万円の赤字から赤字幅が拡大しています。これが今後どのように改善されるかが注目されます。
2. 市場競争
- SaaS市場は競争が激しく、他社との競争が激化する可能性があります。特に新規参入企業や既存の大手企業との競争にどのように対応するかが課題です。
株価の推移
スパイダープラスの株価は、決算発表後に市場の反応を受けて変動する可能性があります。特にARRの成長や黒字化の見通しがポジティブに評価されれば、株価の上昇が期待されます。しかし、赤字の継続や市場競争の激化などの懸念材料があるため、慎重な見極めが必要です。
まとめ
スパイダープラスは、堅実な成長を遂げており、今後も引き続き成長が期待できる状況にあります。特にARRの成長や営業利益率の改善がポジティブな要素です。しかし、赤字の継続や市場競争の激化などのリスクも存在するため、投資家はこれらの要素を総合的に評価する必要があります。今後の動向に注目しつつ、引き続き企業の成長を見守りたいと思います。